【岡山】血洗いの滝
血洗いの滝
なんとまぁ、気味が悪い名前の滝ですが、その由来は非常に興味深いものなんですね
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吉井川の支流滝山川の深部にある滝。滝の名は、神話にまつわる伝説から名付けられています。ヤマタノオロチを退治したスサノオノミコトがこの滝で血にそまった剣を洗い、滝水で身を清めたと伝えられています。 (岡山県 旅ネットより) |
山道を車で進んでいくと、看板がありました。
近くに駐車場も確保されていました。
落差は10数メートルですが、この落下する水は清冷で枯れたことがないと
いわれています。古くから神霊の宿るものとして、みそぎや、よう拝が
行われています。とくに夏は納涼に良く、秋は周辺の広葉樹林が美しく紅葉し、ハイキングに適した処として親しまれています。須佐之男命尊が出雲で大蛇を退治したあと、剣の血をこの滝で洗ったという伝説からこの滝の名前がつけられたと伝えられています。出雲の千家尊愛が此の滝を賞詠してから一層有名になりました。(環境省・岡山県)
滝の入口まで100m、しかし、この先は全面通行止めにて徒歩で向かいます。
ここから、更に細い道をくだっていきます。ん???、なにやら人の声が聞こえてくるような・・・あたりには人影などないのに
滝へ向かう小道を下っていると、ブルーシートを頭に抱えた作業員らしき人が、小道を登ってきています。作業員は顔を下げて足元に注意を払っているようで、私には全く気づいていません。
私から声をかけ「こんにちは」
誰もいるはずのない場所から突然の声に驚いた作業員は、一瞬たじろいでいました。申し訳ないです。
おやっ、鳥居もあるじゃないか。
ここにも2名の作業員がいました。
瀧神社、近くには民家など全くない場所です。どうしてこんなところにという感じです
岩肌を超えて奥に進んでいくと、血洗いの滝がありました。
地図の赤星印が血洗いの滝、青星印は剣が祀られていたという石上神社です。
ヤマタノオロチが退治された場所は、地図の左上の出雲なんですが、なぜ、こんなに遠くの吉備にまで来て、剣を洗い、神社に祀ったのか?
伝説とは言え、不思議なものです。
剣が祀られていたという石上神社(岡山県赤磐市)、この剣は崇神天皇の時代に大和国の石上神宮へ移されたとされており、このことは石上神宮の社伝にも記されているそうです。この赤磐市の石上神社は創建が不詳なんですが、崇神天皇の時代とすれば、3世紀~4世紀には既にこの地にあったということなんですかね。
日本書紀は、写本によって記述が変わるが素戔鳴尊が、大蛇を退治した記述のなかで、退治した大蛇の中から草薙の剣が出てくるが、その退治した剣は「吉備の神部の許にあり」とか「鳥上の山これなり」「石上にあり」とか表現される 。
備前の中心であった旧赤坂郡(現在、赤坂郡と磐梨郡が合併し赤磐郡となっている)は鳥取と呼ばれ、吉備の石上神社は、日本書紀の記述と同じく「鳥上の山」そのものである。 (抜粋)
備前の中心であった旧赤坂郡(現在、赤坂郡と磐梨郡が合併し赤磐郡となっている)は鳥取と呼ばれ、吉備の石上神社は、日本書紀の記述と同じく「鳥上の山」そのものである。 (抜粋)
色々と引用させていただきましたが、古代というのはロマンがあっていいですね。
ちなみに、父親の実家が美作市の湯郷温泉近くにあって、血洗いの滝、石上神社にも近い距離ということからか、幼い頃に父の実家に行くと、祖父が「言うことを聞かないと、ヤマタノオロチが来て食べられてしまうぞ」なんて言われていました。
伝説、言い伝えって面白いものです。