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家賃滞納の時効

一般債権の時効は10年だそうですが、毎月払いの家賃の場合、「定期給付債権」に該当し、各支払期日から5年で短期消滅時効となります。
民法169条)

以前、滞納家賃を残したまま、既に退去してしまい、担当者も滞納回収努力を怠り、回収未納となったままの案件がありました。

基本的には、家賃は家主の債権ですから、内容証明郵便で退去者に債権が管理会社に譲渡されたことを伝えました。

実は、この退去者、退去したアパートから住民票を異動することなく、転居先が不明でしたが、数年後、住民票を異動していることが判明していました。

こういった月日の経過とともに住民票を異動するケースは多く、退去後、当初は居住地不明であった退去者の居住地が後に判明することもあるわけです。

滞納状況をデータでみると、すでに5年を経過した滞納もありました。時効となった家賃滞納額を含めても訴額が140万円以内ですから、支払督促を申し立てました。支払督促送達後、異議の申し立てがあり、通常裁判に移行しました。

裁判において、被告から時効の援用をにおわす会話もありましたが、実はこの事件、家賃滞納と退去補修工事未納を請求した事件で、賃料等請求事件としておりました。

これにより、裁判官も一般債権として時効は10年と被告に言い渡しました。
最終、請求額全額が認められ、一括支払いができない退去者と、分割の和解をして、また、分割支払いも案外、滞りなくおこなわれたことで、全額回収に至りました。

通常、分割の和解をしても、いいとこ数度の支払いがあるだけで、その度に催促を行っていないと、未回収となるケースがほとんどですが、この案件は、たまたま、スムーズにできたケースでしょう。